文学小説を読もう。5

◆今週は文学小説作家たちのおもしろ(?)エピソードをご紹介してきました。
今日は私のお気に入りの作家です。
高校時代に読んだ作品が素敵だったので どんな作家さんなのだろうと調べたものでした。
そこで見た本人の写真
に絶句(笑)

梶井基次郎
本名:梶井基次郎(かじいもとじろう)
出生地:大阪府西区
誕生:1901年2月17日
死没:1932年3月24日
享年:31歳
職業:小説家・詩人
時代:昭和の作家

梶井の作品は、短命だったこともあって20編しかありません。
そのほとんどが、発行部数の少ない同人誌に書かれたものばかりで
同時代に芥川、谷崎、志賀、島崎らが華々しく活躍した
「文壇」からは遠くかけ離れてい ました。
 なんと死の2ヶ月前まで無視され続けたと言います。
作品は死後、時間と共に高く評価され始め、
今では教科書に載るまでになっていますね。
風貌には非常に無頓着で ある時、あまりに酷い様子なので、
同級生がお金を出しあって散髪をさせたこともあったそうです。

12歳の時に祖母を、14歳の時に弟を結核で亡くし 
18歳、文学や音楽に熱中し始めたといいます。
特に漱石は大好きで「漱石全集」を買い揃え、
手紙に自分の名を“梶井漱石”と記すほどハマッていたのだとか。
現代の若者と同じようなことをしていますね。

19歳、自身も肺結核を発病して療養生活。。。のはずが 
20歳、父が定年後に始めたビリヤード場での遊びに熱中。
この頃から本人曰く“退廃的生活”を送るようになったのだとか。
泥酔してラーメン屋の屋台を引っくり返したり、喧嘩してビール瓶で殴られたり、
家賃が溜まった下宿から逃亡し たり、料亭の 池に飛び込んで鯉を追ったり。。。。

しかしその傍若無人ぶりからは想像もつかないほど 
彼の作品の表現は詩的で繊細で美しいのです。
梶井は衰弱していく自分の体と、
非情な運命を見つめ続け、
そこから目をそらすことはなかったと言います。
家族が次々と結核で先立つなか、
小鳥や蛙、蜘蛛や蝿に至るまで、
命という命を優しい目で見守っていました。
限りある生命に敏感にならずにはいられなかったのでしょう。

そんな梶井基次郎の代表作
『檸檬』
『櫻の樹の下には』
『闇の絵巻』
『冬の蠅』 

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